小児性愛を矯正すること。

子供にいやがらせをするものを生み出さない。これはベルリンの「シャリテ病院」のクラウス・バイエルが率いる性科学医学研究所の研究及び治療プロジェクトのスローガンである。このプログラムでは子供に惹かれる男性を治療している。目的はこのような男性をより弱いものへの欲望に基づいた行動を予防することである。

インタビュアーSA: 小児性愛者は変わることは出来ますか?
バイエル:人の性の選好を完全に修正することはできません。ここでは性的志向や年齢の好みや特定の性的な行動等をいいます。多くの障害や疾患を本質的に癒すことはできませんが、効果的に治療していくことは可能です。糖尿病を例にとりましょう。糖尿病患者は血糖を正常範囲内におさえるように努力しないといけなくて、慎重に食べて、運動もしないといけません。やがて、患者さんはドーナツ屋さんやアイス屋さんの前を素通りするようになるものです。同じことが性的異常にも言えます。欲望に惹かれる人たちは自分の衝動をコントロールできるようにして、自分自身や他の人達を傷つけないようにならないといけません。

SA: ここではどのように、その患者に対して援助をしているのですか?
バイエル:性的志向や性的な妄想があるからと、その人を責めても逆効果でしかありません。ですが人はみな自分の振る舞いに責任があります。我々の治療計画では、我々は患者が、子供との性的な状況を避ける手伝いを行い、妄想のままに振舞わないで済むようにしています。つまり、患者が変わろうと望まないといけないのです。自分の意思に反して効果的に治療がうまくいくなんてことはないのです。

SA:小児性愛者は全ての子供の性的虐待に責任があるのですか?
バイエル;決してそんなことはありません。多くの子供にいたずらをするような人たちは、大人に性的に惹かれているのです。彼らは、子どもが大人がするようには自分の身を守ることができないので、子供を対象にするのです。我々のプロジェクトはこういったことをする人たちを対象とはしていません。

SA:異なった種類の小児性愛者がいます。そういったことをふまえて異なる治療を提供するのでしょうか?
バイエル:基本的には二つに分けられます。子供だけを対象とする人たちと、大人と子供の両方を対象とする人たちにです。治療は個人的な要素というよりも、このどちらに属するかに基づいて行っています。

SA:このような二つのグループへの治療の違いは何でしょうか?
バイエル;子どもだけに向いているわけでない人たちは社会が受容可能な方向にもっていきやすいでしょう。例えばもしパートナーがいるような場合には、このプロセスにも参加してもらって、社会からの受容にむけて援助していきます。女性に対しての引っ込み思案や自信のなさは、男性の子供への興味の背景にあることもあります。
 子供にだけ興味をもつような人たちには、我々は自分の偏愛と向きあって生きるように教えていて、つまり、この特定の性的な欲望のもとに行動することはできないということを理解しながら折り合いをつけていってもらうのです。

SA:あなたは特に男性の話しかしませんでしたが、女性はどうでしょうか?
バイエル:女性が子供への性的虐待をしうることやしてきたということはありますが、小児性愛の女性はいません。少なくとも私のキャリアの中では一つも症例を見聞きしたこともありません。

(了)
訳者コメント
うーん、最後のところはどうなんだろうなーと。アメリカあたりだと繰り返し教え子に手を出す女性教員なんてのもニュースになっていたような。女性が加害者で男性が被害者だと訴える人が少ないということもありそうな気がします。